創り手の思い
一つ一つ、物づくりの始まりには
多くの思いがある。
それは強度や軽量化、効果、効率
といった実質的な、または目視で
きる部分だけでなく
目に見えない粋、遊び、優しさ、
思い遣りや潔さといった事まで。
盛り込みたい感覚は研ぎ澄まされ
そして楽しむ。
通常ならケース構造体は外から
思考を組み立ててゆくもの。
今回は内部からの絵を描きはじめ
六百年以上のヴィンテージ鼓に優
しくも確固たるガードを提供する
内装の妙が在って始まる。
外壁構造体は、ダブルリブ構造の
フレームを採用。
さらに、この収納ケースは、蓋を
開けた時につづみの革の約1/3が
優雅に覗く構想に。
本体と蓋を約二分割としたケース
の強度不足を補うため
ダブルリブ構造に本体と蓋の8面
の壁全てに横方向に配置した別の
アルミの柱。
大型ケースに採用する壁の構造が
このケースの内装の動きにも有効
に。
そんな試行錯誤が具現化した作品
となった。

Photographer : Kei SUGANO

Photographer : Kei SUGANO